先ほどSBSテレビで2010年の作品、「Marathon Boy(マラソンボーイ)」というドキュメンタリー映画を見た。
内容は・・・
インドのスラム街で生まれた3歳のブディア・シン君。
生みの母は貧困のあまり家々を回りわが子をなんと800ルピーで行商の人に売り飛ばし、それに見かねたダスさんが引き取ることになる。そして、そこはオリンピック選手も生み出す柔道道場。
ダスさんは以前からストリートチルドレンを道場にあつめ、指導し、養い、子供たちにいろいろなことを教えてきた男性。
そしてそのダスさんのところに来たブディア君のたぐいまれな「走る」才能を信じ「いつかオリンピックに出るんだ!」とブディア君といっしょにがんばってきた方だ。そしてその才能はわずか三歳で開花し、65キロを走りきる。でもインドの幼児保護団体に目をつけられたダスさんは、金儲けのためにブディア君を使っているのは虐待だと非難。
そして論争激化するにつれて、ブディア君の名声が最高潮に達する。
しかし、どこで火をつけられたか、金に目がくらんだ生みの親が突然、「わが子が虐待されている、返せ!」と裁判を起こし、ダスさんが負ける。
男泣きをし、それでも「いつかまた道場に帰ってきたら暖かく受け入れるんだ!」と語っていた彼がなんと突然訪ねてきた見知らぬ男性に射殺される。心臓をまっすぐに打ち抜かれて・・・。
政府の上層幹部に目をつけられていただろうとの話もあり、そのいざこざの中で彼の命が突然立たれたのだ。
今まで親代わりに道場で育ててもらった孤児の子供たち、ダスさんを応援してきた人たちがメディアで政権反対などの行動をおこすことにまで発展。
道場にいる孤児たちは突然ダスさんを失い悲観にくれ、嘆き、怒り、苦しむ、しかしそのなかでもダスさんの教えを伝えようと道場は継続されている。ダスさんの大きな写真は今も道場の入り口に掲げられている。
すごくさびしい映画だが、この人はこうなるために生まれてきたんだろうな。
今は奨学金を受けて学校に通っているブディア君。いつか立派なマラソン選手として育ってくれることを祈って。